美容・健康効果いっぱいの昆布です。 その恵みをきれいに残さず食べたいものですが、だしをとった後の残り昆布はどうしていますか?捨てたりしていませんか? だしとり後の残り昆布には、アルギン酸、フコイダンなどの多糖類をはじめ、まだまだたくさんの栄養素が残っています。 そのまま捨ててしまってはもったいない!ひと手間加えて、残さず食べてしまいましょう。 

 

 

普通に食べれば危険じゃない!日々 「ちょい食べ」 の習慣を!

昆布に含まれるヨウ素は、必要不可欠なミネラルなのですが、たくさん摂りすぎると甲状腺機能低下症や甲状腺腫、甲状腺中毒症などを引き起こす恐れもあります。 そのため、ヨウ素の過剰摂取が気になり、積極的に昆布を食べることに抵抗を感じる人もいるようです。 昆布出汁は普通に頂けば問題ありませんがヨードサプリメントなどは一日の摂取量に注意が必要です。 朝の食卓に塩昆布を、自家製ふりかけを、昆布でとったおだしでお味噌汁を、という程度では、健康な成人である場合、問題はないと思われます。 厚生労働省の 「日本人の食事摂取基準」 においても、ヨウ素の一日の耐容上限量が2010年版では2200㎍だったものが、2015年版では3000㎍/日に引き上げられていますし、その数値も習慣的に(日々継続して)摂取した場合です、との但し書きがついています。

ちなみに 「だし&栄養スープ」 で考えますと1日に142gまでとなります。 実生活で142gはとても摂ることはできませんのでご安心ください。 

 

また、ヨウ素の推奨量130μgに対して、海藻類を食べない人たちの日々の摂取量は73μg程度。 海藻類を食べない生活を続けているとヨウ素不足になるとも述べています。 日本人は欧米人よりも、ヨウ素過剰摂取の影響を受けにくいと考えられていますが、ヨウ素は不足しても過剰であっても弊害が出ます。 日本人以外の民族は海藻を消化することができません。 彼らは作物を育む土壌にヨウ素が不足している地域もありヨウ素が不足する民族が多いと考えられています。 ネパールヒマラヤ、アンデス、ヨーロッパアルプス、中国の山岳地帯などの土壌ヨウ素含有量の低い内陸部高地もあります。 山岳部では日本人のように海藻や魚からヨウ素を摂ることもできません。

 

・妊婦  注意!!  (過剰摂取はよくありませんが逆に妊娠中や授乳中にヨウ素が不足すると流産や死産、新生児の知的障害や先天異常のリスクが増大します)発展途上国においては3500万人の乳幼児がヨウソ欠乏による脳障害の危険にさらされています。 

 

・甲状腺疾患など、健康上問題がある方はこの限りではありません。

 

また、閉経後の女性は数値的には同じ制限ではありますが、 「海藻類をほぼ毎日食べる人は週2日以下しか食べない人に比べて、甲状腺がんの発症リスクが高くなる」 という報告もあります。 一方、海藻の摂取と甲状腺がん罹患に強い関連が存在することは考えにくいという研究もあります。 昆布からしっかり出汁をとり、和食を中心とした食生活を送っている人は、今以上増やす必要はないかもしれませんが、日頃お味噌汁を飲まない人、肉中心の和食離れした食生活を送っている人はぜひ、意識して昆布を摂るようにしてみてください!